北区内には、埋蔵文化財の包蔵地が全部で50ヶ所あります。
北区遺跡地図に色を塗ってみました。
北から南東に向かっている黒い線が、京浜東北線です。
ご覧の通り、多くが京浜東北線に沿いの西側に埋蔵文化財の包蔵地が集中しているのがお分かりになると思います。
埋蔵文化財包蔵地に該当している不動産の売買契約をする時は、契約の前にする重要事項説明で、埋蔵文化財包蔵地に該当していることをお伝えしなければなりません。
それは、埋蔵文化財包蔵地内で土地を取得して建物を建築したり、よう壁を造るなどの工事をする際には、発掘届出書を東京都に届け出なければならないことや建築工事中に埋蔵文化財が出てきた場合は、調査期間中建築工事が中断すること、また建築するものによっては、その調査費用まで負担しなければならないこともあるからです。
届け出をすると、現地において試掘調査をする日程が決まります。
試掘調査は、木造3階建の住宅であれば、根切りをする50センチメートルくらいの深さまで調査をします。そこで埋蔵文化財に当たらなければ、調査はそこで終わり、建築をすることができます。
以前、弊社が埋蔵文化財包蔵地内で建売住宅を建てた時に、現地で立ち会いをしたのですが、文化財の上に土などが堆積しているため、木造住宅を建てる時の根切りの深さでは文化財に当たることは少ない。と言われました。
それ以降、埋蔵文化財包蔵地内で土木工事をしても試掘で文化財が出てきたことはありません。
埋蔵文化財包蔵地内では、建築をする際には試掘をするのですが、木造住宅を建築する時の根切りくらいの深さでは、文化財に当たることはありませんでしたので、埋蔵文化財包蔵地内であっても木造住宅を建てるなら埋蔵文化財には当たらないもの。そう思いこんでいました。
ところが、それから数年後北区内にある埋蔵文化財包蔵地内で試掘調査をした時、埋蔵文化財に当たったのです。
だいたい30~40センチメートルくらいのところで埋蔵文化財が出てきたのです。
日を改めて、本発掘になりました。
敷地を掘って、出てきた埋蔵文化財は奈良平安時代の住居跡(竪穴式)だそうです。
発掘調査をしている現地を見に行きました。これです。
これが竪穴式住居だそうです。分かりますか?実際に現地で見ても私は分かりませんでした。
現地で調査をしている方に説明してもらって、ようやく「これが竪穴式住居跡なんだぁ」という感想でした。
この時は、2棟建物を建てる予定だったのですが、申請を出したのは2区画のうちの1区画で、隣にもう1区画建築する予定でした。区役所からは、隣もほぼ間違いなく埋蔵文化財が出るので、次回の調査は試掘をせずに本発掘をすることになりました。