北区は南北に走っている京浜東北線の線路を境にして東側が低地、西側が高台となっています。
そのため、北区には坂が多くあります。
そしてその坂には、名称が付いており、その名称を知ることで、その周辺が昔どんな環境だったのか、住人がどのような生活をしていたのかを知る手掛かりとなり、とても面白いです。
今回ご紹介する坂は、「北区王子本町2丁目1付近(北区立王子第二小学校前)」から、「北区王子本町2丁目12番先」まで延びる「王子稲荷の坂(おうじいなりのさか)」です。
【出典:国土地理院発行2.5万分1地形図】
坂の形状は直線に近い形状ですが、若干蛇行しています。
坂の上と下では高低差が約18mあり、長さは約130mあります。
写真(下)は、坂の上にあたる「王子第二小学校正門前」です。
【王子稲荷の坂 坂上(王子本町側)】
坂の北西側(写真右)には「王子第二小学校」が、南東側(写真左)には「専門学校」があります。
【王子稲荷の坂(岸町側から撮影)】
坂の中腹を過ぎた辺りには、この坂の名前の由来にもなった「王子稲荷神社」があります。
【王子稲荷の坂 王子本町側から撮影】
王子には古くから各地から集まった狐が、大晦日の夜に大きな木の下で装束を整えて、「王子稲荷神社」に詣でるという伝承があります。
また、落語の「王子の狐」に登場する狐も「王子稲荷神社」の狐です。
【王子稲荷神社】
王子稲荷神社を過ぎると、坂も少しずつ緩やかになってきます。
【王子稲荷の坂 岸町側から撮影】
坂の終端が近づき、坂もだいぶ緩くなりました。
写真右側には「いなり幼稚園」がありますが、こちらは「王子稲荷神社」の境内に設置された幼稚園です。
【王子稲荷の坂 坂下(岸町1丁目12番先)】