今回は、東京都北区「十条(じゅうじょう)」の地名の由来についてご紹介致します。
十条は北区の真ん中あたりに位置しています。
「十条」という町名は無く、「上十条」「中十条」「東十条」「十条台」「十条仲原」というように十条の前後に何らかの文字が付いています。
【十条銀座(十条駅側)】
現在、十条台には自衛隊の駐屯地がありますが、以前ここには陸軍の施設(東京第一陸軍造兵廠(兵器製造部門))がありました。
このように公有地が多かったために、その跡地には現在、大規模な公園(中央公園)や中央図書館といった公共施設が建設されています。
【北区立中央図書館】
新編武蔵風土記稿(しんぺんむさしふどきこう 1804~1829年 全265巻)によると、十条の地名由来は、豊島清元(北区豊島を本拠地とする武士※詳しくは北区豊島の地名由来をご参照下さい)が、紀州より熊野権現を勧請した際、熊野権現周辺に「王子村」や「十条峠」といった地名が存在していたことを受けて、勧請した熊野権現近くの村にも同じ村名を付けたとされています。
【いなりプレーパーク】
しかし、その後の発掘調査等で「条里制(じょうりせい)遺構※」が発見されたことや、十条の近辺に「一ノ坪」や「市ノ坪」といった小名が存在したことから、条里制下の十条に当たるから町名が付いたという「条里制説」を支持する動きも出てきています。
個人的には、十条周辺に九条や八条といった「条」が付く地名が他に残っていないことや昔は岸町と呼ばれていた村が「王子村」という名前に変わっていることを考えると、前述の説の方が信憑性が高い気がします。
※条里制とは
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古代から中世後期にかけて行われた土地区画(管理)制度で、碁盤のマス目のように区画整理をしていました。
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