不動産の売買契約をする時には、契約書に収入印紙を貼って、さらに契約書と印紙にまたがって押印(消印)します。
売買金額によって異なります。例えば売買金額が1,000万円を超え5,000万円以下の場合、契約書に貼付する収入印紙は本来2万円ですが、現在は特別措置で1万円に引き下げられています。
領収証は、金銭または有価証券を受取った人が、その事実を証明するために作成して、相手に交付する証拠です。
「領収証」という名前でなくても、「受取書」や「レシート」の他、金銭又は有価証券の受取った事実を証明するために請求書や納品書などに「代済」などと記入したものや「お買上票」などで、その作成の目的が金銭又は有価証券を受け取ったことを証明するために作成するものは領収証になります。
仮に契約書や領収証に収入印紙を貼らなくても、その契約書や領収証の有効性には影響ありません。
領収証に印紙が貼っていなかった場合、その領収証を発行した人の脱税行為にはなりますが、契約書や領収証としては有効で、それを受け取った人が脱税に問われるはありません。
※収入印紙を貼るべき人が収入印紙を貼らなかった時は、その印紙税の額とその2倍に相当する金額との合計額(つまり印紙税額の3倍)に相当する過怠税を徴収されます。
もともと印紙税は、1600年代にオランダで、税務職員が発明したそうです。
当時オランダはスペインとの独立戦争で財政が厳しくなっていて、新たな税収が必要だったからだそうです。印紙税は、他の税金と比べると、国民に重税感を与えにくいということで、その後も各国で採用されるようになり、日本でも1873年(明治6年)に採用されました。
印紙税は、売買契約書や領収証など課税される文書は第1号から20号まで分類されています。その中に該当する課税文書であっても除外規定に該当するため複雑で判断するのが難しいです。
例えば、不動産に係わる文書でも、売買契約書は課税文書、建物賃貸借契約書は不課税文書ですが、不動産賃貸借契約書のうち、土地賃貸借契約書は課税文書に該当するため、収入印紙が必要になります。
昨年1年間の印紙税収入は約6,800億円で、貴重な財源なのですが印紙税法にとって大きな問題が起きています。それはペーパーレス化による電子取引が増えていることです。
印紙税は紙の文書に対しては課税されますが、電子文書は課税されません。
法律を変えない限り今後、印紙税収入は減収になって行くと思います。
ところで、収入印紙は何種類発行されているかご存じですか?1円から10万円まで全部で31種類も発行されているそうです。