トウリハウジング通信 2024年12月号

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省エネ性能の表示

前回のトウリハウジング通信11月号のあとがきに「東武伊勢崎線「西新井」駅徒歩圏で新築戸建を建築する確認申請の許可が出るころ」と書きましたが、11月中旬に許可が出て着工しました。早速、新築戸建としてポータルサイトで広告を始めました。

ところで、スーモやアットホームなどのポータルサイトでは、2024年4月から新築戸建の販売をする際には、省エネ性能の表示が求められ、新築戸建を販売する売主(または賃貸の事業者)は、所定のラベルを表示することになっています。

表示を求められている項目は【エネルギー消費性能】【断熱性能】【目安光熱費】です。

ラベルはこのように表示されます

◆住宅の省エネ性能を表示する新制度の概要◆

2024年4月から新たにスタートした「省エネ性能表示制度」では、住宅のエネルギー消費性能が★の数で、断熱性能が🏠の数で表示されます。

●制度の目的●

この制度は、販売・賃貸事業者が建築物の省エネ性能を広告等に表示することで、不動産を探している人たちが住宅の省エネ性能を把握しやすく、そしてそれぞれの物件を比較しやすくすることを目的にしています。

●制度の具体的な内容●

2024年4月以降に建築確認申請をした新築および再販売・再賃貸される物件を広告する際には省エネ性能ラベルを表示します。対象になるのは、住宅や建築物を販売する売主・賃貸する事業者で、従わない場合には、国が勧告等を行います。ただし、既存建築物は勧告の対象外です。

●省エネ性能ラベルと評価書●

この制度では、「省エネ性能ラベル」と「エネルギー消費性能の評価書」が発行されます。評価には「自己評価」と「第三者評価」の2つの方法があります。自己評価は事業者が国の指定するWEBプログラムなどを使用して行い、第三者評価は指定評価機関によって行われます。第三者評価の場合は、省エネルギー性能に特化した「BELS(ベルス)」という評価制度を使います。

♦弊社の新築戸建については、自己評価にして、設計をして下さった方にお願いしました。

●省エネ性能ラベルの特徴●

省エネ性能ラベルには以下の3つの特徴があります。

1 エネルギー消費性能が★の数で分かります。省エネ基準に適合していれば★1つ、それより10%削減するごとに★が1つ増え、再生可能エネルギー設備(ここでは主に太陽光発電です)がない住宅の場合、最高で★4つ表示されます。エネルギー消費性能は、エコキュートやエコジョーズなどの高効率の給湯器にする、或いは照明を高効率のLEDにすることによって上げることができます。

♦弊社の新築戸建については、床暖房を入れてしまったため、エネルギー消費性能を上げることができず、レベル2でした。

2 断熱性能が🏠の数で分かります。国が定める省エネ基準に適合していれば「4」、ZEH水準に達していれば「5」と表示されます。断熱性能は、窓ガラスとサッシによって、また壁、床、天井の断熱材の種類や厚みによって上げることができます。

♦弊社の新築戸建についてはレベル「5」を取得しました。

3 目安光熱費が金額で分かります。年間光熱費の目安が金額で表示されます。

♦弊社の新築戸建については16.7万円/年でした。

●課題と今後の展望●

省エネ性能表示制度は、不動産を探している人たちへの正確な情報提供が重要です。国は2050年のカーボンニュートラル達成に向けて、制度の基準を段階的に引き上げていく予定です。新しい「省エネ性能表示制度」によって、省エネ性能が高い住宅や建築物の供給が促進されて、その家に住む人たちにとってもメリットの大きい状況になっていくと考えられます。

お子様へ贈る 今月のおすすめ絵本(読物)

せんにんみかん

再話・絵:福知 伸夫 
出版社:福音館書店

昔、ある所にたくさんのみかん山を持っている男がいました。

ある年のこと、ひとつだけちっともみかんがなっていない山がありました。男がそのみかん山を歩いていると、一本のしげみの木の奥に大きなみかんがひとつだけなっていました。そのみかんは日に日に大きくなり、地面につくほどになり、男がみかんを指で叩いてみると【まて、まて】と声がしました・・・

トウリハウジング特選物件情報 -今月の広告-

編集後記

始めの省エネ性能ラベルのところで「今回、弊社が販売する新築戸建で床暖房を入れてしまったため、エネルギー消費性能がレベル2でした」と言い訳をしてしまったのですが、床暖房を入れるとエネルギー消費量が当然増えてしまいます。一見、床暖房とエネルギー消費性能は反対に作用しているようですが、断熱性能を高めるのと同時に気密性能を高めれば足元が寒くならないので、床暖房がなくても快適に過ごすことができるということです。では、なぜ断熱性能を高めて、気密性能を高めれば足元が寒くならないか、その理由は2つあります。まず断熱性能を高めると「コールドドラフト」という現象が起こらなくなります。「コールドドラフト」というのは、暖房で暖められた空気は軽くなって上昇しますが、断熱性能の低い家では、壁や窓が外気の影響で冷えているので、暖かい空気が壁や窓に触れて重くなり、足元に降りてくる現象のことです。この状態では、暖房で室内をいくら暖めても、足元は暖かくなりません。次に、気密性能が低いと、暖められて軽くなった空気は上昇して、天井や屋根の隙間から逃げてしまい、その分の空気が床下や足元の隙間から入ってくるので、足元が冷えるのです。建物の中の温度をより安定させるには、断熱性能を高めるのと同時に気密性能を高めると良いそうです。