不動産取引における埋蔵文化財は、
例えば購入した土地に建物を建てるとき、
建築工事の建築確認申請の前にその届け出をしなければなりませんし、
着工の際には立ち会いとか試掘などの指導を受けます。
そして、その工事が文化財を破壊してしまう場合は、
工事を中断して文化財の発掘調査をしますので、
その間は建築をすることができません。
発掘調査は建築工事が中断することの時間的な損害もさることながら、
発掘調査に関わる費用を負担しなければならない場合もあります。
例えば北区では
個人専用住宅を建築する際の費用負担は北区ですが、
事業者が建築する際に文化財が出てきたときには、
事業者が負担をして発掘調査をしなければなりません。
しかし埋蔵文化財包蔵地では、土を掘るとすぐに文化財が出てくるというわけではなく、
だいたい50㎝以上掘らないと、文化財は出てきません。
木造3階建の個人専用住宅では、根切り※が50㎝くらいなので、
たとえ地中に文化財があっても、そこまで到達することは少ないです。
ただし地盤改良工事をする場合は杭を深く入れますので、文化財を破壊する可能性があり、
地盤改良工事の工法については指導を受けることがあります。
埋蔵文化財包蔵地は、北区には約50カ所あり、
京浜東北線沿いで西側の高台に多く集まっています。
また隣の板橋区においては170カ所以上もあって、
主に志村から高島平・赤塚に至る広い地域で存在していますので、
不動産を購入したところが埋蔵文化財包蔵地に該当するというのは、珍しくありません。
※根切り(ねぎり):基礎や地下構造物を作るため、地盤面下の土を掘削すること