販売図面等に記載されている「築年」の項目を見ると、建築からどれくらい経過した建物かが、分かるようになっています。
表記方法はまちまちで、西暦になっているものや和暦、または併記されている場合があります。
中には「不詳」となっていて、築年が分からない物件も存在します。
また、築年を知ることで、どの時点の耐震基準で建てられた建物なのかも知ることができます。
1920年に耐震基準らしきものが制定されましたが、具体的に法律で耐震規定が最初に定められたのは1924年の市街地建築物法改正からです。
下記の年表でも分かるように、大きな地震がある度に耐震基準が見直されてきました。
1920年(大正9)市街地建築物法施行
1923年(大正12年)関東大震災(M7.9)
1924年(大正13年)市街地建築物法改正 耐震設計基準の導入
1948年(昭和23年)福井地震(M7.1)
1950年(昭和25年)建築基準法制定
1959年(昭和34年)建築基準法改正
1964年(昭和39年)新潟地震(M7.5)
1968年(昭和43年)十勝沖地震(M7.9)
1971年(昭和46年)建築基準法施行令改正
1977年(昭和52年)RC診断基準策定
1978年(昭和53年)宮城県沖地震(M7.4)
1981年(昭和56年)建築基準法改正「新耐震設計法」
1995年(平成7年)阪神・淡路大震災(M7.3)
1995年(平成7年)耐震改修促進 制定
1997年(平成9年)SRC診断基準改正
1998年(平成10年)建築基準法改正 検査の民間開放
2000年(平成12年)建築基準法改正 性能設計の導入
2001年(平成13年)芸予地震(M6.7)
2001年(平成13年)耐震等級の導入
2004年(平成16年)新潟県中越沖地震(M6.8)
2005年(平成17年)福岡県西方沖地震(M7.0)
2005年(平成17年)中央防災会議 「建築物の耐震化緊急方針」
2006年(平成18年)耐震改修促進法改正「平成27年に耐震化率90%」
2007年(平成19年)新潟中越沖地震
2007年(平成19年)能登半島地震(M6.9)
2007年(平成19年)建築基準法改正 構造モデルの規定
2008年(平成20年)岩手・宮城内陸地震(M7.2)
2011年(平成23年)東日本大震災(M9.0)
2014年(平成26年)長野県神城断層地震(M6.7)
2016年(平成28年)熊本地震(M7.3)
大きな改正は「1971年」と「1981年」で、1971年の改正前の建築物を「第一世代」、1971年の改正から1981年の改正までを「第二世代」、1981年の改正以降を「第三世代」という呼び方をしたりもします。
調査によると、阪神・淡路大震災で柱などが崩壊して修復が不可能になった建物は、世代別で下記のようになっています。
◆修復不可能な建物
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第一世代 56%
第二世代 22%
第三世代 5%
◆無被害だった建物
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第一世代 15%
第二世代 47%
第三世代 75%
一般的には1981年改正前を「旧耐震」と呼び改正以降を「新耐震」と呼んでおり、「旧耐震」と「新耐震」の建物では、下記のような違いがあります。
◆1981年の改正前
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震度5程度の中規模の地震で大きな損傷を受けないことが基準
◆1981年の改正後
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震度6強~7程度の大規模地震で倒壊・崩壊しないことが基準
2000年の改正は木造住宅に関するもので、鉄筋コンクリート造のマンションの基準は大きく変わっていません。