ふだん生活をしている中で、あまり気にすることも無いけれど、重要な役割をしている部材に「巾木(はばき)」というものがあります。
「巾木」は、壁面と床の接面の壁側に付いている部材で、部屋の用途によって材質や形状などに多少違いはありますが、役割は同じです。
戸建などの居室だと、比較的に木で作られた「木巾木」が用いられることが多いです。
理由は見た目も良く、直線的に綺麗に仕上げられるからです。
【木巾木】
逆に事務所や公共施設などは、塩化ビニルで造られた「ソフト巾木」と呼ばれる物が付いていることが多いです。
「ソフト巾木」は軟質のため、壁面の不陸(でこぼこ)に影響を受けやすい為、仕上がりが良く見えない場合があります。
メリットは単価が安く施工や交換が簡単という点です。
【ソフト巾木】
用途としては2つあり、1つは壁面と床面の取り合い部分を、巾木で覆うことにより、仕上がりを綺麗に見せる役割。
特にフローリングは、巾木が無い状態だと切り口を綺麗合わせないとならず、仕上がりを綺麗に見せるのは大変です。
また、フローリングが収縮するクリアランス確保をしているという側面もあるので、巾木が付かない場合には、ゴムパッキンを入れるなどの対策が必要になってきます。
体育館などで見かける方法です。
2つ目は、壁面を汚れや衝撃から守るガードとしての役目です。
つま先を壁にぶつけたり、掃除機で掃除をしている時に壁面に擦ってしまった時も巾木があるおかげで壁が壊れたり、汚れたりせずに済んでいます。
一般的に、壁面の下地は石膏で作られた板を張って造られていますので、端や角は衝撃に弱く、すぐに崩れたり、割れてしまいます。
また、壁面の仕上げ材も巾木に比べると汚れが付着しやすく、汚れを落としにくいことが多いです。
目立たないけれど、建物を快適に使うために重要な部材なのです。