今回相談にいらっしゃった方は、以前取引をしたお客様のご紹介で、戸建の売却に関する相談でした。
所有者は施設に入所しているため、いらっしゃったのは所有者の代理人でした。
売却しようと考えている戸建は築20年ほどの木造2階建の注文建築で、浴室やキッチンなどの設備や建具、そして家財も高価なものでした。
早速、売却査定の価格を出すために調査を始めました。公図や謄本を取ると、相談のあった戸建の隣の家との間に細長い土地があって、その所有者を調べてみると、なんと11人の共有名義になっていました。元は1人でしたが相続が何度もあって、11人まで増えてしまったようです。相談の建物の敷地が測量をしていなかったので、境界を決めようと11人に連絡を取ってみたのですが、その半分も連絡が取れず、中には連絡が取れてもすでに所有者が亡くなっていたということもありました。
11人の共有の土地は隣の家が敷地として使っていたので、お隣に借地契約を結んでいるか尋ねたのですが、「所有者が分からないので、無償で使用している」ということでした。
このような所有者不明土地は全国でかなりの数があって、面積でいえばすでに九州全体の面積を超えているとも言われています。今後いろいろな政策が検討されているようですが、即解決に結びつくような施策はなかなか出てきそうにありません。